〔付けるべき力のストーリー〕について

◆〔学びと成長のストーリー〕だけでなく,3年間の〔ストーリー仕立てによる「見える化」〕は,取組の全体像を把握することができる点において長所があり,他の場面でも活用を図りました。

◆生徒に付けるべき力についても,学習指導要領等に示されているものや学校としての「育てたい生徒像」に示している内容は,かなり抽象的であり,具体的にどんな力を付けることを,どのようにして,授業のどの場面で実践するのかを理解したり共有したりすることは,容易ではありません。

◆この「付けるべき力」と授業のどの場面で実践するかの「見える化」を試みたのが,〔付けるべき力のストーリー〕です。H28年頃から論議し始め,H29年に一定の整理ができました。この時期に,「学びの変革」の推進の具体的な方策として「カリキュラム・マップ」を各学校で作成する要請もあり,府中高校としては,この〔付けるべき力のストーリー〕が「カリキュラム・マップ」の意義・役割を果たすものとして整理したものです。

 

〔1〕〔付けるべき力のストーリー①〕(H29段階)

◆府中高校として生徒に「付けるべき力」の論議は,学校経営計画の協議・作成の場面,授業改善研修会の場面,シラバス作成の場面,考査の活用問題作成の場面等,様々な場面で行われていましたが,更に,「学びの変革」と実際の授業の場面との整合を図ろうとする論議を行ってきていました。

◆H28段階で,「付けるべき力」について一定の整理を行い,H29段階で実際に授業を展開しながら学期ごとに実際事例を科目ごとに整理していく方式にして,一年間かけて一定水準の形に整いました。

◆この段階では,「付けるべき力」については,「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力等」の2領域についてのものです。掲載資料のタイトルにある「作法」は,従前から生徒に「学びの作法」として提示していたものも授業実践の一環として位置付ける意義があることから設けているものです。

◆全学年,全学期,全科目について,「付けるべき力」と授業場面について整理していますが,ここではサンプル的に第二学年の国語の部分だけを取り上げていますので,ご了承ください。

 

〔2〕〔付けるべき力のストーリー②〕(H30段階)

◆H30年度段階では,府中高校は,県教育委員会から「学びの変革」の推進に係る3年間の研究開発指定(「高等学校課題発見・解決学習推進プロジェクト」)を受けて,総学を中心とした探究的な学習に係る資質・能力のルーブリック評価の開発に取り組むことになり,〔付けるべき力のストーリー〕についても,「探究的な学習に係る資質・能力」の整理と連動させて,併せた論議をして再整理することにしました。

課題発見・解決学習推進の統括者である豊田昇教務主任と推進リーダーである藤井智美教諭が中心となって,KJ法的な手法も使って夏の時期に校内研修会を行って論議を集約したり,意見聴取を行ったりしながら作成したのが次に掲載しています〔付けるべき力のストーリー〕のH30年段階の枠組です。

◆H29年段階と大きく異なるのは,「付けるべき力」について,「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力等」に加えて「学びに向かう力・人間性等」を位置付けて3領域としたことです。併せて,具体的な付けるべき力についても再構築してあります。