教育職の業務分担の考え方について

◆高校現場の分掌分担(校内分担配置)は,本来,当該者の職責を明確にした上でバランスを取りながら行われるべきものと考えられますが,実際例を見聞きすると,その年度の事情や個別当該者の力量等によって,偏りが大きかったり,バランスが悪かったりする事例にしばしば出会います。直近では,再任用の人の位置付け方が学校間で大きな違いがあるような事例をしばしば聞きます。

◆村上が関わっていた府中高校においては,次の表に示している「教育職に係る業務分担整理表」を基本としていました。この表は,少し,分かりにくい面がありますが,主幹教諭・指導教諭の位置付けだけでなく,例えば,学年主任は担任や分掌には位置付かないとか,分掌の実務推進の担当者も担任には位置付かないなどの基本原則を「見える化」しています。

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◆この分担整理表では分かりにくいのですが(次に示す組織図では読み取れますが‥),学年主任・分掌主任が主任業務にできるだけ専念できるようにする観点,分掌の実務推進者がその業務にできるだけ専念できるようにする観点から,副担任は2クラスに1人の配置としています。

◆このことが,教員としての感覚や自分の実際の業務の負担感などから,1クラスに1人の副担任の配置を望む声は,年度末に行っていた「業務改善アンケート」では必ず幾人かから提起がありました。部分業務と全体配置とのバランスを図ることの理解の得ることの難しさの実例だと思っていますが,村上には,全体構造を組み替えるほどの提起だとは受けとめられませんでした。 

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教育職における業務分担整理表(DL用).xlsx
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学校の組織図について

◆校内の業務分担を組織図として整理し,その中に担当者名等を明記して一枚もので「見える化」することにより,学校全体に関わる立場の者や他部署等と調整する必要が生じるものにとっては,大きな便利さが生まれます。

◆次の組織図は,村上が関わっていた時の府中高校の組織図をもとにしたサンプル例です。分掌に実務推進者を置いていること,副担任が2クラスを担当していること,主幹教諭が校務の一部(ここでは,総務部・教務部・生徒指導部)を所掌していること,指導教諭が教科主任等会議を所掌していることなどが読み取れます。(ダウンロードできます。)

◆分掌部の配置数を幾つにするのかは,学校の組織マネジメント の中でも大きな要素だと思っています。村上は,根拠が明確で主任手当も出る省令主任を基本とすることを考えていましたが,省令主任が設けられた当時と現在の学校(特に高校では)の業務内容がかなり変容してきており,総務部(総務主任)を設けていました。

◆規模の大きい学校では,教育研究部,生徒会指導部などの分掌(主任)を設けている例も見受けられますが,村上の捉えとしては,それぞれ関わりの深い教務部や生徒指導部の部署としての全体業務の連関性を弱めることになり,組織マネジメントとしては機能性が弱くなると思っています。

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校内組織配置図(サンプル例)(DL用).xlsx
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分掌業務内容一覧表について

◆学校のすべき業務の内容自体が学校ごとに大きく異なることはありませんが,どの部署の業務の内容として位置付けるかは学校によってかなり異なることがあります。そもそも,分掌部の在り方自体が学校によって異なる例も多くありますので,その部署がどのような業務を担う分担になっているかは,整理して「見える化」しておくことが,効率的な組織運営には必要なことです。

◆次の表は,府中高校のある年度のものをもとにしたサンプル事例です。業務の分担内容も大事ですが,どの部署に何人の配置が可能か(必要か)ということも,主任を除いて担当者数として明定しておくことも大事になります。

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分掌業務一覧表(サンプル例)(DL用).xlsx
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