〔起案・決裁システム〕について

◆業務処理と意思決定の接点として,しばしば焦点化するのが学校現場における起案・決裁の在り方です。論点としては〔適切性,正確性,迅速性,継承性〕あたりだと思われますが,この論点について,管理職・上席サイドからの見え方と教員・実務者サイドからの見え方の「景色の違い」が大きいと思います。

◆最も大きな相違点は,管理職・上席側は,起案を通して「新しい工夫,チャレンジ的な要素と正確性・迅速性」を同時に求める傾向があること。更には,起案・決裁を通して「人材育成」を意図的に行おうとする人が少なからずいることであるのに対して,教員・実務者側は,「昨年度の決裁済みのものを基に,労力が少なく,手早く済ます」ことが第一義になる傾向があることだと思っています。

◆従前,是正指導・校長権限の確立を図った時期に,行政的な起案・決裁システムを学校現場に導入する段階で精緻すぎるシステムの導入を試みたり,逆に教育内容面のものの多くを除外したりしたことの凸凹感がありましたが,それが未だに影響していると思っています。

◆働き方改革の動きの中で,どの程度まで適切性・効率性を上位優先とするかということと,教育内容面での水準向上を図る観点から,考査問題等を起案・決裁対象とするかどうかということが焦点化すると思われます。

 

◆村上の経験則では,学校現場における起案・決裁は,効率性・迅速性に第一価値を置かないことが大事なことのように思われるのと,考査問題等は,方式の相違はありながらも,起案・決裁の対象とすることが大事だと思っています。少し,理想論になるかも分かりませんが,起案・決裁の中での意義・優先価値の置き方は,当該起案の内容自体の性格に基づいて判断されるべきものだと思っていますし,起案者がそうした要素を考えたり判断できたりすることの意義を大事にしたいと思っています。また,高校における考査問題等については,まさに,そこに現時点における教育活動の「凝縮点」があると思っていて,シラバス・授業展開・振り返りも含めて「凝縮点」の水準へのこだわりが,学校として大事なことだと思っています。⇒ 考査問題のこれからのあり方については,〔◇カリ・マネ>★カリ・マネの実際>定期考査の発展的解消〕で説明しています。

 

◆次の資料は,村上が府中高校で毎年提示していたもので,H30年度のものです。

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◆毎年同様のものを提示してきていますが,年度ごとに現出課題に対応して変化してきています。この中での留意点は,「回議の円滑化」において「回覧優先ゴム印」なるものを導入してみたり,浄書確認が不徹底だった事案に鑑みて,起案者以外の者の浄書押印を明確にしたことなどです。

◆「校長が押印していれば,責任は校長が取る」のは当たり前のことで,また,押印していなくても最終責任が校長にあるのは自明のことですが,ペーパーで「見える化」しているのは,それなりの意義があると思っています。 

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起案・決裁について(サンプル例)(DL用).xlsx
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