定期考査の発展的解消について

◆現行の学習指導要領と比べて,質的な変容を伴う新学習指導要領の効果的な実施・展開を考えてみると,指導計画や評価のまとまりについては,「単元」を基軸にして計画や評価・評定を組み立てるのが良いように思っています。私の印象としての授業準備の姿は,今まで,直近の50分の授業をどのように組み立てるかに力点があったように受けとめていますが,これからは授業組み立ての基軸を単元におくことが大事になると思っています。勿論,年間の授業計画の全体像からそれぞれの単元計画が位置付けられる訳ですので,授業計画や評価を「単元」を基本に考えることは,授業を実際に担う上では年間指導計画 > 単元指導計画 > 単位授業という構図の中でのことになります。その観点から新学習指導要領を前提にした「単元計画シート」の様式も考えてみました。⇒ 参照:〔◇カリ・マネ > ★授業の組み立て方>単元計画シート〕
◆また,新学習指導要領では新たな科目として科目名自体に「探究」を付したものが設けられていて,それ以外の科目も含めて,授業を通して「探究・探究的な学び」を重視することが求められています。一年間の授業計画の中で,育てるべき資質・能力の観点を明確にした上で,それを実際的にどの単元,どの素材・場面で取り組むかという点から考えた場合にも,単元指導計画として組み立てるのが良いように思っています。⇒ 参照:〔◇カリ・マネ > ★活用・探究問題 > 探究問題(探究課題)〕

◆一年間の実際の授業展開をできるだけ円滑に,効果的・機能的に実践しようとした場合に,むしろ流れを遮断する可能性があるのが,学期の中途で一定期間,授業とは切り離される形となる定期考査の設定だと考えるようになりました。従来から,授業時数確保の観点,考査を通して知識・技能の比重が大きすぎる,考査期間設定の時期が部活動や教員の日常業務にややマイナス的な要素を持つ面があることなどが気になっていたこともあり,結論的には,定期考査設定そのものを見直して,発展的に「年間指導計画」「単元指導計画」に基づく授業展開を優先することを軸に,資質・能力能力の育成,評価・評定について再構築することがベターな対応だろうと考えるようになりました。
◆次の資料は,定期考査の発展的解消についての考え方を整理してみたものです。今までの授業や考査の取組状況も含めて,学校実情などにより考え方に相違があることと受けとめていますが,定期考査をなくすことが目的ではなく,定期考査の意義を踏まえつつ,より根幹は,新学習指導要領の内実を具現化する授業の在り方をどのように模索し構築していくことが,これからの求められる力を生徒に育むことにつながるのかを基本とすることだと思っています。

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