マネジメント演習の意義について

◆教員経験を一定程度積み重ねてくると,職場の状況,個人の状況で大きな相違があるものの主任になったり,主任的な立場になったりすることが想定されます。規模の大きい学校や40代以上の教員が一定数配置されている学校だと,10年経験者を経てからという考え方もありますが,規模がそれ程多くない学校等では6年経験者研修を経ると主任的な役割・位置付けが期待される人も多くいることと思います。

◆また,教員としての在り方(指導力・判断力・実践力・・)を考えてみると,授業にしても学級経営ににしても校務の円滑な推進にしても,場面・状況を把握し,方針・方向性(目的)を確認して,実行・実践して評価してみる《マネジメント力》が大事になるのは明白なことで,生徒や周りの人を「巻き込む力・動かす力・リーダーシップ」も《マネジメント力》の一環として大事になります。

◆教員の《マネジメント力》をこのように捉えると,その力を高めることは,管理職になることを希望するとかしないとか,主任にはまだ早いとか主任はしたくないとかの論議ではなくて,教員としての力量を高めることに直結していると捉えるのが妥当だと思っています。教員としての資質・能力の向上を図る研修の中にも,こうしたマネジメント研修を意図的に組み込んでおくことが大事になると思っています。

◆ネジメント研修の在り方については,幾つかの組み立て・内容等が考えられますが,村上は従前から自主研究会としての「マネジメント研究会」に関わってきていて,コロナ感染への対応が求められる現状から,《リモート方式によるグループ協議》として扱える演習課題として設定してみることで,「正解のない課題に対して,自分としての考え方・判断根拠を意識しながら,一定の整理を「見える化」してみて,相互に評価・意見交換してみる」ことを試みています。

◆マネジメント研修の演習課題の事例紹介としての内容は同じものになりますが,研究会としての実際的な状況,活動内容につきましては,〔★自主研究会>◆M研(リモート方式)〕で紹介しています。

◆より実践的・理論的な演習課題を工夫してみる観点から,「自校の状況・課題について」という設定にせずに,架空の《G県立A高校》を設定してみました。自校を離れて踏み込んで考えてみることができることを期待してのことと,異なる立場・学校の違いなどを越えての論議・意見交換ができることを期待しての試みです。

 

《マネジメント演習のテーマ》

◆ リモート方式による研究協議を前提にしての組み立てにしています。掲載の内容は現時点のもので,機会・状況を捉えての時点修正・工夫改善を前提としています。

 

《架空のG県立A高校の設定》

◆ 多くの方がイメージしやすいように普通科としています。学校規模は設定のポイントだとは思いますが,架空の人材・人物のイメージがしやすい人数程度になる規模としてみました。また,校内の人事配置や業務分担時の参考になる程度の《人材評価》も架空の設定をしています。

◆ 実際の演習・協議に使用するものは,各項目の内容・データ類はすべて記入済みのものとしていますが,ここでは項目程度の掲載に留めさせていただきます。ビジョン,目指す生徒像,育成すべき資質・能力,資質・能力のルーブリック等も,サンプル的なもので,演習課題としての扱いやすさを考慮しています。