学校における危機管理について

 ◆学校における危機管理は,実に多岐にわたると言えます。「生きて活動している」学校は,外部的な面からの危機案件と内部的な面からの危機案件を,まさに常に抱えた状態で日常活動を行っています。「生きもの・生もの」的な要素を持つ学校は,常に危機に向き合っていて,そのことは当たり前のことであり,教員の仕事や在り方としても自分が常に危機に向き合っているという認識を持つことが大事なことになります。極言すれば,学校の日常活動そのものが危機管理である!ということです。

◆危機管理の基本的なことを要約すると次の5点になると思います。
〔1〕置かれている状況(現状)に危機意識を持つ
  ⇒ 未然防止・予防的な措置や研修,日常的な情報把握・管理を機能させる
〔2〕案件が生じたら,小さくても大きくても〔事実をきちんと確認・把握し,オープン整理の考えを持つ(秘密裡処理の願望を持たない)!〕
  ⇒ この時点で,最悪なこと,極端なことへの展開を想定して,対応方針を練る
〔3〕対応方針を確定する。すなわち,案件の要素の「優先順位」を明確にして,根拠を明確にして,対応方針の順序を確定する
  ⇒ 方針確定の内容をどの範囲(職員,生徒,保護者,関係機関,マスコミ等)に伝えるかを明確にする(※「この初期対応が命運を分ける」との認識が重要です。)
  ⇒ ここまでの動きを組織的に行うことが肝要ですし,一定のスピード感も重要

〔4〕実際対応を継続しながら,その都度の場面・動きの事実の把握・確認
  ⇒ 必要に応じて対応方針自体の吟味
〔5〕終息に向けての見通しが持てた段階で,振り返り(組織的に行う)
  ⇒ 次に活かす(短期的,長期的なスパンを明確にしての改善策)
  ⇒ 短期的視点(初期対応,対処療法の見直し),長期的視点(次を防ぐ予防的な対応)
◆これらの動きは,危機管理だけでなく,通常的な「学校課題」についても,同様の要素が働いていますが,通常的な課題に対して危機管理対応の特徴は,
①突発的なものも含めて,通常対応の範囲を超える案件  
②生徒(・教員)の安全に関わることで,生命の危機の可能性もあるもの 
③案件の問題性が大きく,学校の信頼を大きく損なう可能性が高いもの などがあります。
◆次の資料は,学校における通常の課題対応の流れと危機管理対応の流れを整理してみたものです。危機管理対応に関りが深い要素を赤色の文字で表しています。

 

学校における危機管理対応の実際

◆実際に学校現場で直面しやすい危機案件について,危機管理対応の実際的な判断・対応を整理しています。

 

◎学校現場で実際に起きやすい不祥事案件について,視点整理の仕方を紹介しています。

 

 

 

◎必履修科目の未履修問題と適切な授業時数の確保について,視点整理の在り方を紹介しています。

 

 

 

◎生徒指導案件についての実際的な留意点について紹介しています。

 

 

 


◎保護者対応案件について,特に,担任による保護者対応の留意点に焦点をあてて紹介しています。

 

 

 

◎学校における安全管理について,特定の事案についての考え方や事例について紹介しています。