A教諭の授業改善方策について

◆一般的に高校の教諭(A教諭)が自分の授業の水準を高めるにはどうしたらいいのか・・・,所属の学校の状況,本人の経験・経歴などによっても大きく異なりますが,第一要素は本人の行動に移せる《意欲》だと思っています。確かに,実際には教諭の個々人によって,資質・能力もかなり異なり,授業ということでは教科の特性の違いも影響する面はあると思っていますが,5年スパンくらいで教員の成長の姿を捉えると,本人の《意欲》が授業技量の成長という点では第一要素だと思っています。
◆次の資料は,教員が自分の授業の水準を高めることができる方策・手立てを,A教諭の例として図に表してみました。意欲・態度・努力などの要素は図には入れずに,方策・手立ての要素だけを整理してみたものです。
◆私の出会ってきた教員の中で,比較的に良い授業ができるB教諭は,授業準備(授業プリント,教材準備など)もしっかりと行い,授業でも柔軟な展開力も発揮できるのですが,理論研究の面,即ち,研究会や研修会を積極的に活用したり,読書等によって知見を広めたり理論整理をしたりする視点が充分でなく,授業水準としては同じような水準に留まるという印象でした。また,同様の力のあるC教諭は,次週くらいまでの授業計画に基づく「当面対応方式」(もちろん,頭の中には考査期間の授業計画は大まかにはあるのですが・・)での授業準備・遣り繰り工夫をするのですが,結果的には,考査が近づくたびに授業進捗が押してしまって,考査直前の単元はごく限られた時間での「駆け足的消化不良授業」になることもしばしばでした。まさに,授業計画をきちんと立てて,詳細シラバスを計画的に使うなどして単元設定を明確に組み立てておくことが充分とは言えない状況でした。
◆B教諭もC教諭も,授業を大事に考えて努力する教員でしたが,自分の周りにある授業改善の方策や機会をバランスよく充分に活用するというところまでには届いていなかったように思います。自分の状況を改善したり高めたりするには,周りにある機会・チャンスを充分に活用し,視点を整理し,実践的に高めるサイクルを自分のものにしていくことが大事だと思っています。
◆頭の中で,願望したり,イメージしたりするだけでは,生徒という相手のある授業の実際の水準は高まらないと思っていますし,意図を持って取り組んでも,なかなか上手くいかないのが授業だと思っています。