日本教育新聞「管理職選考 合格へのポイント」掲載記事

 〔後半〕選考試験の把握 ・・・ 第7回 ~ 第12回

第7回(令和元年12月2日) ~ 選考試験の全体像の理解

◆学校管理職の選考試験を受けようとされている方は,当該自治体の選考試験の内容について,事実をきちんと把握しておくことが必要です。自治体によって形態や内容に相違がありますが,「これからの時代や状況に必要な管理職としての人材が求められている」ことは共通していますので,選考試験の全体像の把握に基づいた準備をしっかりと進めておいていただきたいと思います。

 

第8回(令和元年12月9日) ~ 基礎力の高め方

◆選考試験において求められる力は,基本的には日常的な業務への取組を通して 培うことができます。自分が直接関わっての文章作成や少しきちんとした説明をする場面で,用語・概念を明確にしたり,根拠に基づいた分かり易い説明に努めたりすることを意識的に行うことです。
◆選考試験の本番は一定の「特別性」を有していますし,そうした特別の場面で普段よりしっかりした力を発揮される方もおられるとは思いますが,そうした方も含めて,ベースとなる力量の向上は日常のOJTとしての営みに基づいている訳ですので,日々の場面を大事にしてください。

 

第9回(令和元年12月16・23日) ~ 論述的な力の付け方

◆選考試験において大きなウエイトを持つと考えられるのが,小論文等の論述試験です。日常的な営みを通して論理的な考え方や説明の仕方を意識している人でも,実際に論述試験を受けるとなると緊張されることと思います。緊張した場面での自分の「本番力」を期待される人もおられることとは思いますが,比喩的に言えば,〔3〕のレベルの準備では「本番力」があったとして〔4〕くらいであって,〔5〕のレベルに対応するには,〔5〕に見合う準備が必須だと思っています。
◆過去に出題された問題を見ると,その時々の「教育課題」がテーマになっていることは明らかですので,一つ二つのテーマを予測して「特訓的な準備」をされる人もおられるかと思いますが,私見では,昨今の教育課題全般に対してしっかりした見識を高めておくことの方が受験的にも日常業務的にも有効だと思っています。

 

第10回(令和2年1月6日) ~ 面接対応力の高め方

◆選考試験において面接が持つ独特の印象は,様々な意義・価値観・個性などが限られた時間の中に凝縮されることから生じるものと思っています。選考試験に関する事前情報を余り持たずに自分の価値軸に沿って準備される方も,また,情報の収集に努めることに力点を置きながら準備を進められる方もおられることと思いますが,面接に関する「体験者からのアドバイス」は鵜呑みにすることなく吟味が必要だと思っています。
◆まさに私見ですが,管理職として求められる基礎的基本的な力量自体に関わる要素もあれば,その場面で生じた価値観・個性などが重なり合った結果出現した一局面として理解することが妥当なケースも在り得ることと思っています。面接準備としては,あれこれと考えすぎるよりは,面接の三要素についてシンプルな視点から高めておくことが良いのではなかろうかと思っています。

 

第11回(令和2年1月13日) ~ 視点・観点の再整理と本番前の直前整理

◆選考試験の本番が近づいてきた段階でどんな準備をしておくのが良いかをまとめてみました。本番までの概ね1ヶ月程度の期間を計画的に準備を行うことが根幹になります。ここでの計画と実践に弱さがあると実態面でも気持ちの面でも《弱点》を抱えることになるので,この時期の過ごし方は重要です。勿論,《弱点》を抱えながらでもポテンシャルが高く本番でも力を発揮できる人もおられる訳ですが,多くの場合,しっかりとした準備が大切になります。
◆選考試験本番で求められる力は多岐に亘ります。準備としては,その多岐な要素を分解して,テーマを定めて準備することが必要です。どの事柄に対して,どんな準備をしておくかを,重ねて「見える化」しておいて,準備実践していくことが大事になります。

 

第12回(令和2年1月20日) ~ これからの管理職に求められるもの

◆今回が最終回となりましたので,全体を概要的にまとめてみました。各回にテーマを設けたのと大まかでもストーリー的な構成にしていましたので,全体概要版も意義があると思います。
◆記事中に使用した図はすべて村上が作成したものですが,今回のはボリュームもあって記事枠にいれると流石に少し窮屈な感じになっていますので,別に再掲をしておきます。選考試験準備の全体像として参考にしていただければ幸いです。

 

〔第12回の図の再掲〕