《講演⑤》『ルーブリック評価について』

〔学校法人 穴吹学園教職員研修(福山)〕

(1)研修会

  ◎ 日時:令和2年9月7日(月)9:30~12:30

  ◎ 会場:穴吹情報デザイン専門学校(福山市)

  ◎ 参加者:穴吹学園教職員25名

  ◎ コロナウイルス感染対策として,全員マスク着用・手指消毒・定期的な換気・

    講師用シールド・座席指定

 

(2)研修会の概要

◆穴吹学園は様々な領域のカレッジ・専門学校を数多く有しておられて,専門領域の相違や校舎ごとの経緯もあって,実技・実習に関する評価について,領域・校舎を越えての全体的な論理性・整合性を高めたいとの考えから,パフォーマンス課題の評価に適したルーブリック評価の穴吹学園版の開発を進めておられます。 

◆前回の高松に続いての実施となりました今回は,新たに基礎的な演習問題を一題加えるとともに,教員採用試験の演習題の展開を全体像理解から部分演習を行うという流れにさせていただきました。また,ルーブリック評価の活用の仕方として,講座・授業の年間計画と評価の統括整理表を加えて実施させていただきました。

 ◎ルーブリック評価の理解・・・概念整理を深めるために,ルーブリック評価の定義・

                形態・評価項目と評価尺度,実際事例等の紹介

 ◎演習〔1〕・・・高校の文化祭の模擬店に出す「ケーキセット」の評価表の作成

 ◎演習〔2〕・・・架空のC県の小学校教員採用試験の評価表の考え方

 ◎演習〔3〕・・・小学校教諭への志望動機文例に対する評価表の作成

 この4つの内容について段階的に進め,演習とグループ協議を通して理解が深まることを企図して組み立てました。

 終わりのところで,教員採用試験の全体像と志望動機文例の事例に対比して,年間授業計画の全体像と個別のパフォーマンス課題の評価の連関性についてをまとめにさせていただきました。

◆演習題については,グループ協議を踏まえて,それぞれ複数発表していただき,お互いの考え方・工夫点を共有することができました。発表していただいた先生方,ありがとうございました。

◆ 途中の場面で,たくさんの質問をいただき,それへの説明を通して,ルーブリック評価の実際的な活用についてのイメージを深めていただけたとのではないかと思いました。

〔質問例〕

◎ 高校の考査でのパフォーマンス課題・評価と考査全体の(例えば)100点満点との関係性?

◎ 広島県以外の県でのルーブリック評価の活用度合い?

◎ 情報系の授業でのパフォーマンス課題・評価の具体的なイメージ?

◎ 授業ごとの振り返りとパフォーマンス課題設定・評価の頻度数の関係性?

◎ 学生の意欲・力量差が大きい状況でのルーブリック評価の工夫の仕方?

◎ SとAの表記の内容の実際的な相違? など  

 

(3)感想

◆参加者全員の方々が,丁寧に真摯に演習題について取り組まれている姿が印象的でした。考えを巡らせたり,状況・場面をお互いに確認し合ったり,建設的に意見交換をされている姿が目立つ研修会になり,そのことも印象的でした。少し抽象的な演習題と自分の教える内容との往復作業的な思考をされている印象の方も複数おられたように感じました。

◆途中,演習の取組中に回らせていただくと,評価項目(観点)のところに〔評価記述の内容〕に相当することを書かれている方が数名おられました。私自身は,評価項目(観点)を先に設定するやり方なので,「・・・できる。 ・・・している。」の実際例を複数挙げることから評価項目(観点)に辿り着ける道筋があるように感じました。

◆次は,次年度実施に向けてそれぞれの関わりのところでのパフォーマンス課題のルーブリック評価表の作成へと展開されるとお聞きしています。ルーブリック評価自体の「評価対象者の力量向上・成長を促すことに繋がる効果」が,今回の参加者の方々の熱意でさらにパワーアップされることを願っています。

 

〔研修会の様子〕

〔使用パワポ〕⇒〔Ⅱ〕の演習の素材・構成が高松での内容と異なります。

〔振り返り用の授業計画と評価の関連付け表〕