【7】学校における「こなす」仕事の捉え方について

◆学校の教育の営みに大きな価値を置き,職業としての意義を見出して教員になった人たちのなかには,学校の業務の中で生徒の直接的に関わることに価値を置きすぎて,実務処理的な業務を敬遠する,或いは,業務として価値を低く捉える人に出会うことがしばしばあります。更に加えて,個人的な技量としての「得手・不得手」意識が介在しやすく,バランスの悪さを感じることもしばしばあります。

◆バランスが悪いからと言って,生徒との直接的な関りの意義を低く捉えることは,もちろん不要ですし,教員としてはまずいことです。ここで整理しておきたいのは,実務処理・事務処理的な領域の仕事の価値や意義を適切に捉えて,自分の技量を高める,或いは効率的な仕事の仕方になるように,個人としても組織としても努力する,工夫するという視点を大事にしてもらいたいという捉え方です。

◆次の図は,そうしたことの関連性を表してみたものです。日常業務を,「取り組む仕事」と「こなす仕事」とに分けて捉えてみました。気になるのは,小テストの処理や成績処理などが,人によっては「こなす仕事」としての捉え方が大きくなりすぎていて,教育的な営みの捉えが薄くなっているケースが一定割合であるのではなかろうかという危惧です。

◆成績処理等において起きるミス(不祥事になるケースもあります)の原因・遠因の一つに,教育的な営み(具体的には,データと当該生徒との蓋然性を思い浮かべることができるということになります)としての捉えが弱いのではなかろうかという危惧が想定されます。教員の個々の業務が,個人だけでなく,学校全体や公教育全体の信頼と深く繋がっていることの理解自体が大事なことだと思っています。

 ◎ この資料は,終わりのところにダウンロードボタンがあります。

 

 

ダウンロード
上のワードファイルは,このボタンからダウンロードできます。
学校におけるこなす仕事(DL用).docx
Microsoft Word 56.9 KB