授業改善関連資料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)について

◆授業改善を実際に進めるには,授業改善の方針・考え方を共有するだけでなく,実際の具体的な方策を学校として(教員全体として)共有しながら,組織的なマネジメントとして推進していくことが大事になります。
◆府中高校における授業改善の実際の進め方の中での理論的な面の整理は,場面場面において「授業水準の向上について」などと称したペーパーを提示して個々の教員の理解・認識を整えたり,校内研修会等において国・県の動向を共通把握したり,教科での論議を深める資料を提供したりする方策を試行錯誤的に行っていました。
◆村上が府中高校に関わった6年間の中で,初めの2年間は授業改善の柱建てを整理し,それぞれの有効度・浸透度を見ることを試みました。その間の内容を〔授業改善関連資料(Ⅰ)〕としました。その後も同じ趣旨の整理ペーパーも提示していますが,柱建てごとの水準(質)の向上を意識しての整理ペーパーも提示していますので,それらを〔授業改善関連資料(Ⅱ)(Ⅲ)〕とし,年度的にまとめました。また,年度によってはこの領域の整理ペーパーを提示していない年度もあります。

 

授業改善関連資料(Ⅲ)(H29)

 

〔11〕「授業水準向上方策①」(H29段階①)

◆H28年度段階の授業改善資料は,手許に残っていないので,「授業観察のまとめ」以外は整理資料としては作成していない可能性が高いです。

◆次のH29年度段階の資料の重点は,授業・定期考査等における基本的なICEの領域バランスについて,量的に一定程度の目安を明確にしたことです。定期考査での活用問題に取り組み始めた段階では考査問題の割合を1割程度としていました。活用問題・応用問題の割合を2~3割に高めた理由は,H33年度大学入試・新学習指導要領を意識して,活用できる力・応用できる力への対応を教員も始めておく必要があると考えたことからです。

◆「定期考査の〔【E】主に活用・応用の領域〕の問題は,ルーブリック評価とする。」としていますが,実際的には,問題が複数あるケースでは全部をルーブリック評価にすることまでは求めぜ1問だけでも良いとしていました。

◆このH29年度の設定は,H30年度段階においても,同じ内容で踏襲しています(H30段階のものは同じなので掲載していません)。このレベルの取組は1年期間だけの動きでは充分なものになりにくいと捉えていたことが理由です。

 

〔12〕「授業水準向上方策②」(H29段階②)

◆H29年度段階での取組としては,県教育委員会が指定校方式で推進している「学びの変革」における「教科年間評価計画」・「教科単元指導計画」の様式内容と府中高校の年間シラバス・詳細シラバスの内容や項目が概ね合致しているかどうかを各教科の教員が意識する必要があることから,そのことを取り上げています。

◆府中高校の年間シラバスについては,県の様式との整合性から改善の必要もあったことから,そのことも取り上げています。

◆H29年度第一学期の授業観察のまとめもこの資料の中に合わせで入れています。

 

〔13〕「授業内容の連関図」(H29段階③)

◆〔12〕「授業水準向上方策②」で取り上げた「基本的なフレーム」について,再度,「教科授業内容の連関図」として詳しく説明したものです。授業の内容と多くの取組事項とが連関して意義を持っていることの理解が大事だと捉えています。

 

〔14〕「授業における学びの構造」(H29段階④)

◆この資料は,授業における知的活動,教科内容,授業技法・活動等,学び方整理の項目について,ICE概念との関係性について文字化(「見える化」)を試みてみたものです。「協議素材」としているのは,教科等での論議の深まりを期待してのことです。