資質・能力とICEモデルの連関について

◆「資質・能力のルーブリックについて」のページで,H30年度の府中高校の「府中高校で育成する資質・能力のルーブリック」を取り上げての説明でコメントしていますように,この時はルーブリックの評価基準を〔S・A・B・C〕として整理していて,ICEモデルの〔I・C・E〕の3段階評価にはなっていませんでした。
◆第1回授業改善研究会を開催するにあたり,テーマを〔学びを深める授業づくり〕として「深い学びに繋がる授業,学びを深める授業工夫」などを論議するために,「深い学びとは・・?」ということについて,ある程度の概念整理をしておくことが必要だと思い,府中高校の資質・能力の概念をもとにICEモデルとしての整理を試みました。


◆次に掲載している「授業で育成する資質・能力とICEモデルとの連関について」の表が,研究会用に村上が整理したものです。もともと,ICEモデルの良さの一つに,I・C・Eの段階が絶対評価的な機能を有していることにあると思っています。それに比して,通常のルーブリックの〔S・A・B・C〕は「Sを規準(目指す姿)」としての評価基準にはなっていて,理念的には「A」「B」の段階でもきちんと「A(B)としての規準」となる文章表現が求められるのですが,実際には絶対評価的な要素は少なく,「S」に届かない「A」,「A」に届かない「B」という,相対評価的な段階基準になってしまうことがあります。それをICEモデルとして整理することで,克服できる可能性があると思っています。


◆作成しながら「知識・技能」のところの「E」の表記は少し悩みました。ウェッブサイトで公開されている他校の資質・能力のルーブリックを拝見すると,例えば「学んだことを理解して,それらを活用して論理的に思考し,探究することができる」という趣旨の表現が入っていたりしています。私見では,その資質・能力は「知識・技能」ではなく,「思考力・判断力・表現力等」に属することそのものではないかと思っています。
◆ひとまず「メタ認知できる」としていますが,知識・技能の力や自分にとっての意義・価値について,自己認識してほしいとの願望からの表記です。

 

◆縮小版となり見えにくいので,次に便宜的に分割したものを再掲しておきます。

◎ この表は,終わりのところにダウンロードボタンがあります。

 

《再掲 左半分》

《再掲 右半分》

ダウンロード
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ICEモデルと資質・能力DL用.xlsx
Microsoft Excel 16.8 KB

新カリの全面実施を踏まえて,あらたに【育てたい資質・能力と《学びの評価基本表》】を試案的に作成して,〔◇カリ・マネ>★《資質・能力の勉強会》>〔参考④〕学びの評価基本表〕のところに掲載しています。架空のP県立Q高校の設定にして,マスタールーブリックの考え方整理と観点別評価にも援用できる要素も考慮したものです。ご覧いただければ幸いです。

  ⇒ ★《資質・能力の勉強会》>〔参考④〕学びの評価基本表