〔1〕不祥事案件について

◆実際に学校現場で起きる不祥事案件については,マスコミ報道などで目にする全国で起きる不祥事は,取りも直さず広島県でも起きたりしている事案であことが多く,起きていなくても起き得る可能性が高い事案と言えますし,当然のことながら自分の学校でも起き得る事案であることは間違いありません。
◆自分の学校の教職員が不祥事案件に関わることになると,普段から身近に接している当該教職員に対して,それぞれの個人的な「距離感」が影響してしまい,〔★危機管理〕のところの一般論で説明しています,〔2〕案件が生じたら,小さくても大きくても〔事実をきちんと確認・把握し,オープン整理の考えを持つ(秘密裡処理の願望を持たない)!〕 という大原則が,微妙になるケースが生じやすくなります。学校の中で,この大原則について全員が理解・実践できることが望ましい姿ですが,現実的には,より上席の立場の人がよりきちんとした判断をすることが期待されるところです。
◆日常的に一生懸命,誠実に仕事を担っている人にも,こうした不祥事案件は起きる可能性が充分にあり,「事実をきちんと確認・把握し,オープン整理の考えを持つ」という基本的大原則を貫徹することが,結果的に当該者の信頼維持につながることだと捉えています。

◆不祥事案件が生じた時の管理職からの立場での対応の仕方の難しさの一つが,こうした日常的に誠実に業務を担っている人が当該者の場合であることだとすれば,もう一つの難しさは,逆のケースで,日常的に業務遂行や職場の人間関係に課題がある教職員が該当者の場合には,事案に関係する以外の日常的な課題についても,この機会に指摘してしまうことになりやすいケースだと思われます。両方のケースとも,〔事実をきちんと確認・把握し,オープン整理の考えを持つ!〕ことの難しさだと思います。
◆以前よりは少なくなった印象がありますが,忙しい中でこうした案件の研修会を持とうとすると,「管理職が自分の保身のために,アリバイ的に研修会を持とうとしている」という管理職への不信感が隠れた声として聞こえてきたりしていましたが,さすがに現在では,第一義的に,教職員としての一人一人の立場や身分を守るために研修やルールの確立が大事であること,第二義的に,学校の信頼を守ることが学校に関わる生徒・教職員にとって大事であることの共通認識ができてきているように感じています。
◆次の表は,学校現場で一般的に起こりやすい不祥事事案をまとめたもので,実際対応的には未然防止・予防的な事例検証研修を積み重ねることと,その事例検証情報が全員にきちんと徹底されることが大切だと思っています。校内研修での不祥事防止については,〔◇学校マネジメント>★校内研修>不祥事防止について〕のところで説明していますので,ご覧いただければ幸いです。項目一覧表は基本的に同じ表を用いています。