《講演④》『ルーブリック評価について』

〔学校法人 穴吹学園教職員研修(高松)〕

(1)研修会

  ◎ 日時:令和2年8月19日(水)13:30~16:30

  ◎ 会場:穴吹医療大学校(高松市)

  ◎ 参加者:穴吹学園教職員53名(高松市エリア)

  ◎ コロナウイルス感染対策として,全員マスク着用・手指消毒・定期的な換気・

    講師用シールド・座席指定

 

(2)研修会の概要

◆穴吹学園は様々な領域のカレッジ・専門学校を数多く有しておられて,専門領域の相違や校舎ごとの経緯もあって,実技・実習に関する評価について,領域・校舎を越えての全体的な論理性・整合性を高めたいとの考えから,パフォーマンス課題の評価に適したルーブリック評価の穴吹学園版の開発を進めておられます。 

◆今回は,ルーブリック評価の理解と演習を軸に村上が準備したパワポ資料と演習素材とで実施させていただきました。

 ◎ルーブリック評価の理解・・・概念整理を深めるために,ルーブリック評価の定義・

                形態・評価項目と評価尺度,実際事例等の紹介

 ◎演習〔1〕・・・小学校教諭への志望動機文例に対する評価表の作成

 ◎演習〔2〕・・・架空のC県の小学校教員採用試験の評価表の考え方

 この3つの内容について段階的に進め,演習とグループ協議を通して理解が深まることを企図して組み立てました。実例演習を小学校教諭への採用志望動機にしたのは,参加者の方々の専門領域が大きく異なっていることから共通項的なことでイメージしやすいものとして設定したものです。県レベルの教員採用試験を素材にしたのは,試験全体が資質・能力のルーブリック評価の要素を持っていること,試験全体と個別の試験項目との構図(全体と部分),ルーブリック評価が適する試験項目の理解を通して,ルーブリック評価の有効性や機能性を理解していただこうという意図からでした。

◆実際の研修の場面では,演習〔1〕のところで,小学校教員に求められる資質・能力について考え出すと,志望動機の文例をもとにして,より多くの評価項目の設定を試みられている方が複数おられて,採用試験全体の資質・能力設定との整合性が取りにくい状況になっていることが把握できましたので,急遽,演習〔2〕を先に行って,全体像を理解しての志望動機文例のルーブリック評価表の作成を行っていただきました。

◆まとめの段階では,評価表の項目立ての考え方や評価記述の在り方について,自分の考えを全体に向けて発表をしていただくことができ,実り多い研修会になりました。

 

(3)感想

◆当初は,専門領域が大きく異なり,勤務校舎も違うことから,ルーブリック評価自体の受けとめや協議の在り方に未知数的なこともあり得ると思っていましたが,実際場面では,グループ内や隣席どうしでかなり上手く意見交流・情報共有されながら,かつ,演習設定に誠実に向き合って真摯に考えを巡らしておられる方がたくさんおられて,感銘を受けました。

◆中途に設定した休憩場面でも,個別にたくさん質問をいただいたりして,意欲・熱心さを直に感じることができました。

◆村上の,部分をしっかり考えてから全体像理解へと進めようとした展開が充分に機能しなくて負担をお掛けした方が一定数おられた中でも,皆さん協力的に誠実に取り組んでいただき,振り返っても感謝の気持ちになります。

◆次は,次年度に向けてそれぞれの関わりのところでのパフォーマンス課題のルーブリック評価表の作成へと展開されるとお聞きしています。ルーブリック評価自体の「評価対象者の力量向上・成長を促すことに繋がる効果」が,今回の参加者の方々の熱意でさらにパワーアップされることを願っています。

 

〔研修会の様子〕

〔使用パワポ・演習シート〕