当該授業の組み立て方について

◆実際の授業の営みの姿としては,私の周りでは今週と次週くらいの授業展開の仕方を考えたり準備を整えたりしている姿に多く出会ってきたように思います。私自身もシラバスという概念が定着していない頃には,「その日暮らし」的な授業準備だったこともよくありました。ですが,今日ではシラバスの基になる「年間授業計画」も作成されており,教科として同一科目の考査問題は統一されて行われるのが当たり前になっています。学校として,教科として,年間授業計画とそれに基づくシラバス,シラバスに基づく授業実施,そして統一された評価基準など,仕組・制度的には一定の水準に達していると思っています。
◆現段階でのテーマは,それぞれの学校において,それらの質的な水準がどのレベルであり,それが一時間一時間の当該時間の組み立てにきちんと反映できているかどうかだと思っています。一時間一時間の授業の組み立ては,その前提に「単元授業計画」がきちんと組み立てられていて,更にその前提には,学校として育成を目指す資質・能力と評価を入れ込んだ「年間授業計画」がきちんと組み立てられていることが根幹になります。

◆次の資料は,〔授業の組み立て方の概要〕の一枚ものの全体像の中の「当該授業の計画(指導案)」の内容について説明を加えたものです。資料中の「基本概念」は,新学習指導要領の内容について,文科省のホームページに掲載されている資料を基に村上が作成したもので他の説明でも使用しています。新学習指導要領の内容を理解するのにシンプルな整理が役立つと思って作成しています。(以前のものを一部修正しています。)
◆参考資料として,平成27年度に府中高校で提示した授業改善資料を掲載しておきます。この資料は〔★授業改善の考え方・具体>授業改善関連資料(Ⅱ)>〔7〕「授業構成の視点整理」(H27段階①)〕の再掲ですが,授業構成・授業改善の実際的な視点を入れ込んでいますので,参考になると思います。

 

◆実際の授業準備として,ある一時間の組み立てを考える場合,あらかじめ組み立てている「単元授業計画」との往復作業自体が大切で,もし,「単元授業計画」自体を見直す必要が生じれば,その段階で組み替えて,実際に「単元シラバス」にも反映させて生徒にも説明しながら,段階的に「授業改善サイクル」を高めていくことが大事だと思っています。日々努力して,当該授業の水準を高めることが第一義的な意義であり,それをまた「単元授業計画」に反映させることが大切だと思っています。
◆当該授業の組み立てでは,教材の内容を前提に「授業の流れ」を組み立てます。その際に《学力の3要素》のバランスを考えたり,《学習過程の3つの視点》を考えたり取り入れたりすることは,かなり高度なことのように思えますが,ここのところが授業者としてのプロフェッショナル性だと思っています。
◆「良い授業」の内容は,村上が「良い授業」だと端的に捉える内容を簡潔に表現してみました。様々な概念定義があることと思っています。

〔参考資料〕